第15期『ハートフル大学』 第4回講演
1.開催日時 |
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7月10日(土) 13:00〜15:00 |
2.講師 |
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淺田 正博氏(龍谷大学文学部教授・本願寺派勧学) |
3.演題 |
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「どうして人を殺してはいけないのですかと問われれば」 |
第4回講演 概要
7月10日、 第15期『ハートフル大学』第4回講演が開催されました。ご講師は、龍谷大学文学部教授・本願寺派勧学の浅田正博さんでした。淺田さんは、「どうして人を殺してはいけないのですかと問われれば」という演題で話されました。浅田さんは、「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対して、現代社会で多く見られる何事も理屈・常識で理解しようとする俗世間の捉え方では「いのちの尊さ」という答えを納得することはできず、目には見えない仏の世界を学ばせていただき、死のご縁に遇わせていただく追体験を通して納得できるのだとお話し下さいました。
〜 この世界が真実だという自分に誤りがある 〜
お経の中に絵空事としか思えないようなことが書いてあったとしても、それは仏様の悟りの世界から見た世界なんだなあ、と受け止めることが仏教を学ぶということです。「地獄に堕ちるなんて言ったら馬鹿にされる」という意見は、この世界でしかものを見ていないんです。
〜 亡くなった彼からの贈り物 〜
悲しんでいる暇もなく、お葬式がありました。お寺の跡継ぎでしたから、本堂でのお葬式でした。お勤めが終わり、出棺のとき、お母さんがその学生の頬をずっとなででいました。この姿だけは目に焼き付けておけ、と言って直視できない学生には無理にでも見せました。
〜 ダメなものはダメと答えるべき 〜
それは仏様の世界がわかったとき、生かされて生きるということがわかったとき、初めて納得できるものなんです。 西洋的教育は最初から「なぜ、どうして」それに対して仏教は「そのうちに必ず納得できるよ」という追体験の世界です。
(『ハートフル大学』コミュニケーション誌「ハートフル」講演録より一部抜粋)