2008.01 今月の法話
年頭所感(門主 大谷光真)
光寿無量 新しい年の初めにあたり、ご挨拶申し上げます。
今年も、お念仏とともに一日いちにちを大切に過ごしましょう。
昨年秋のお彼岸の頃、「安穏ー京都からのメッセージ」という本願寺の広報紙が発行されました。門信徒の皆さまには、ご縁のあるお寺を通じて受け取っていただくことになっていますが、お手元に届きましたでしょうか。十年前、本願寺で第八代蓮如上人五百回遠忌法要がつとまった折、私は、各お寺から門信徒の皆さまにお便りや寺報を届けていただきたいとお願いいたしました。多くの方が、応えてくださったと聞き、うれしく思います。省みますと、本山本願寺からのお便りは月三回発行される「本願寺新報」がありますが、原則として、有料購読であり、十分に行き渡っているとは言えません。今回の「安穏」は、年二回の予定ですが、無償で、全門信徒は申すまでもなく、ご門徒でない方にも読んでいただきたいという願いのもと、多部数が発行送付されました。私の宿願がかなった思いがいたします。
江戸時代の末、日本の人口は三千万人前後だったようですが、東西本願寺のご門徒はその三分の一くらいと推定されます。時代はうつり変わり、人口が減り始めたとはいえ、今も一億人をはるかに超えています。今日、せめて、一千万人くらいの方々に、親鸞聖人の「本願を信じ、念仏申す身になっていただきたい」というメッセージを京都本願寺からお届けしたいと熱望しております。
(『大乗』二〇〇八年一月号から転載)